「生死のかかった戦場では、自分の為より、チームメンバーを死なせない為に出る力の方が遥かに大きい」とジェッド・ストーンは断言する。「苦しくなった時、自分の命は諦めれば終わりだが、諦めていないメンバーの命を巻き添えには出来ない」。
2011年の東日本大震災や2024年の羽田の航空機事故でも他人のために力を出し切った人々が窮地を救った。
目的を共有する集団では、人は互いの力を引き出せる。
ジェッド・ストーン 元英国海兵隊将校, 王立海軍学校幹部養成プログラム卒業、山岳共同作戦のスペシャリスト、元鋼鉄ワイヤー滑降世界記録保持者。
過去も、現在も、未来も、変わる事の無い組織の存在意義を言語化したのがパーパスだ。
「パーパスが軍人の言動を決める究極の指針になる」とダミアン・マッキニーは言う。「英国軍のパーパスは『国益を守る』。だからイラクにもアフガニスタンにも行き命を賭けて戦う」。
全員がパーパスに賛同している組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
軍隊将校は他流試合の機会に貪欲だ。外国の士官学校への留学を始め、大使館勤務、戦場での観戦武官など、「閉じた自国軍にいる将校にとって外部との直接交流は不可欠だ」と、サー・ロバート・フライは言う。
ビジネス界でも多忙にかまけていると自分の会社や業界の常識に囚われてしまう。
真剣勝負をしている他社から直接学ぶ価値は大きい。
サー・ロバート・フライ 元英国海兵隊中将 (KCB, CBE)。9.11同時多発テロ対応英国軍事戦略責任者、英国国防省作戦本部長、イラク多国籍軍副司令官等を歴任。ロンドン市名誉市民。 https://en.wikipedia.org/wiki/Robert_Fry
「勝つとチームになる。負けてチームになることは無い」とジェッド・ストーンは言い切る。「訓練で小さな成功体験を重ねてチームを創る。成功体験を重ねたチームが戦場で勝って戦友になる」。
ビジネスでも成功の積み重ねがメンバー間の信頼を生む。
信頼がチームをつくり、生涯の絆をつくる。
ジェッド・ストーン 元英国海兵隊将校, 王立海軍学校幹部養成プログラム卒業、山岳共同作戦のスペシャリスト、元鋼鉄ワイヤー滑降世界記録保持者。
優秀な頭脳を持つ指揮官であっても、戦場でチームの力を引き出せなければ部隊は生き残れない。「将校を目指す若者には間違ったエリート意識を持っている者も多い。彼らにショックを与えてリーダーとしての習慣を身に着けさせる場が士官学校だ」とジェームズ・キャメロンは言う。
優秀な個人にショックを与えてチームリーダーに育てる企業は強い。
ジェームズ・キャメロン 元英国陸軍将校。英国陸軍参謀本部最優秀将校(受賞2回)。大英帝国三等勲爵士(CBE)。最年少でサンドハースト王立陸軍士官学校教官就任。元英国国防省テロ対策部長補佐。2005年のロンドン市内テロ発生時の政府の危機管理対策委員会(COBRA)メンバー。
「軍隊に必要なのは勝利だ。独創的な兵器を持っていても、負けて死んでしまっては意味がない」とダミアン・マッキニーは言う。近年の戦争でも、最新の迎撃ミサイルを上回る数の旧型ミサイルを撃ち込む『飽和攻撃』の有効性が実証されている。
明治維新と敗戦後の復興期における日本も、模倣との非難をものともせず、「追いつき、追い越せ」の精神で成功を収めた。
勝利を最優先に手段を選ぶ組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
戦闘直後の兵士は興奮状態にある。「勝った部隊の指揮官には、部下の略奪を抑え、捕虜の人権を守る自制心が課される。復讐の連鎖を断ち切るのはリーダーの責任だ」と、ダミアン・マッキニーは言う。
企業間のM&Aや企業内の社長交代も時として遺恨を生む。統合相手や別派閥の社員へのリスペクトを忘れないリーダーが組織を成功に導く。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
軍隊指揮官はWarning Order(WARNORD)で部隊に今後の作戦の初期情報を与える。「不確定要素があり計画が曖昧な段階でも、例えば『3時間以内に攻撃開始命令が出るぞ』と伝えて準備させる」とダミアン・マッキニーは言う。待機時間を有効活用するのと同時に、「次に何が起こるのか分からない」という不安を取り除くのだ。
上司が随時情報を開示する習慣のある組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
戦争が技術革新を起こしてきた事は有名だ。第二次世界大戦はレーダーや原爆の開発を促し、冷戦は大陸間弾道ミサイルやインターネットを生み出した。それらが気象観測、原子力発電、宇宙開発、デジタル革命につながっている。戦争は悪だが、その緊急性と必要性が大胆な技術革新を起こす事は歴史が証明している。
天災や大事故も、対応した者には進化をもたらす。
「多国籍軍での作戦で、初めから他国のチームを信頼できるはずがない。唯一の選択肢は先ず任せる事だ」。と、サー・ゴードン・メッセンジャーは言う。現代の軍隊のプリンシプルは明確だ。「ミッションと制約を明確にするから任せることが出来る。任せたチームが期待に応えた時に信頼が生まれる」。
信頼するから任せるのではなく、任せるから信頼が生まれる。
任せる勇気を持つリーダーと、その期待に応える部下が強いチームを創る。
サー・ゴードン・メッセンジャー 大英帝国二等勲爵士(KCB)、前英国統合参謀次長、トップレベルの作戦の決断と実行に携わる。20年以上に渡り最前線を指揮。
https://en.wikipedia.org/wiki/Gordon_Messenger
「Cheerfulness in adversityは英国海兵隊の重要なバリューだ」と、ダミアン・マッキニーは言う。「仲間が殺されるたびに落ち込んでいてはミッションを達成できない」からだ。残酷な事実を受け入れて分析するのと、悲観的になるのは違う。
楽観的なリーダーが組織を成功に導く。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「戦場では、部下の持つ情報や考えを引き出せる指揮官の有無が部隊の生死を分ける」と、ダミアン・マッキニーは言う。自分の考えを伝えるのがプレゼンテーションならば、部下の考えを引き出すのがファシリテーションだ。
ビジネスでも上司や顧客に自分の考えを伝えるプレゼンテーションに加え、部下の考えを引き出すファシリテーションスキルを備えるリーダーがチームを成功に導く。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「教官が部下を成長させる基本は観察だ」と、ジェッド・ストーンは言う。「何が出来ないかを把握する。なぜ出来ないかを洞察する。どうすれば出来るかを考える」。
戦場で兵士を死なせない為に教官の責任は大きい。
ビジネスでも、部下を真剣に観察する上司が個人と組織の成功をもたらす。
ジェッド・ストーン 元英国海兵隊将校, 王立海軍学校幹部養成プログラム卒業、山岳共同作戦のスペシャリスト、元鋼鉄ワイヤー滑降世界記録保持者。
異動後の人間は新組織の仕組みを理解する努力をし、受け入れた組織は説明する努力をする。相互交流が仕組みの改善を起こす。「人事異動をきっかけに現場主導で仕組みを進化させるのがHigh Performance Team(HPT)だ」と、ダミアン・マッキニーは言う。
属人的なスキルや阿吽の呼吸だけの組織は人事異動で混乱を起こす。
混乱を乗り越える過程で自発的に仕組みを作る組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「指令部から任せられた現場指揮官は、不要なチェックに時間を取られず強い責任感で作戦を遂行する。実行速度が上がる」と、ダミアン・マッキニーは言う。「必須なのは簡潔明確なミッションだ」。
明確なミッションの下、細かいチェックや不要な口出しから解放されたリーダーの仕事は速い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「戦場では司令部が任せてくれない時に現場の負荷が高まる」と、ダミアン・マッキニーは言う。状況に合わない作戦を強いられたり、作戦の修正を繰り返されたりするからだ。「部下の仕事に口出しする上官は最悪だ。部下の仕事を増やし、自分も不要な仕事を抱え込む」。
任せる事で全体の仕事量が減る事を知っているリーダーは強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
退却しながら敵を誘い込み、補給線が伸びきったところで叩くという戦術がある。ロシアの伝統芸、焦土作戦だ。「それを知っているから、ウクライナでロシアが劣勢と聞いても安心できない」と、ダミアン・マッキニーは言う。
負けて逃げる敗走と、勝つ為の退却を分けて考える組織は手強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「軍隊に不要な部隊は存在しないが、放っておくと最前線を担う兵士ばかりが肩で風を切るのが現実だ」と、ダミアン・マッキニーは言う。「弾薬を確保する輸送部隊から兵士の空腹を満たす厨房担当まで、全員の協力が無いと前線兵士だけでは勝てない。脇役の士気を高めるのはリーダーの役目だ」
ビジネスでも花形事業やプロフィットセンターにスポットライトが当たる。陰で支える社員の士気が高い組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
ブレグジットが国民投票で可決された2016年6月23日からの1週間、英国外務省は各方面への対応に追われ機能不全に陥りました。同年8月5日にマッキニーロジャーズが主催した第25回駐日英国大使館セミナーでヒッチンズ大使は、
「いつも必要以上に口出ししてくる本国外務省が、あの1週間はこちらからの問いかけにすら反応しなくなりました。しかも、その間に経験した事のない数のメディア取材を申し込まれたのです」
と打ち明けてくれました。
「どのように対応したのですか?」
と尋ねると、
「Mission Leadership®の『自由と制約』そのものでしたよ。私が確認した制約は、①具体的プロセスは何も決まっていない、②日本と英国の良好な関係は変わらない、の2点です。これだけを念頭に全てのインタビューに臨機応変に答えたのです」
とのことでした。ヒッチンズ大使は父上が海軍中将だった事もあり、歴代大使の中でも特にMission Leadership®を深く理解されている方でした。
「高給取りではない軍人が高いモティベーションを保てるのは、国民から尊敬されているという自負があるからだ」と、ダミアン・マッキニーは言う。エリザベス女王の葬儀では、王族全員が軍服姿で参列し、女王の棺の周りは英国海軍の水兵が固めた。元首である女王を守る役割を公に示すことが軍人の誇りを高める。
厳しい仕事を担う人間が尊敬される組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「軍隊のDNAに現状維持は無い」とダミアン・マッキニーは言う。実戦を戦い続ける軍隊は自己変革に貪欲だ。後手に回ることは死を意味する。弾道ミサイルが開発されるとその迎撃システムを開発し、さらに迎撃システムを潜り抜ける超音速ミサイルを開発する。組織マネジメントをコマンド&コントロールからMission Leadership®の原型、Mission Commandに変えたのも自己変革の典型だ。
現状維持に拒絶反応を起こす組織が生き残る。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
多国籍軍の兵士が、言葉も通じない他国の兵士を最初から信頼出来るはずが無い。信頼する前に任せるしか選択肢は無いのだ。互いに任されたミッションを成功させた時に初めて信頼が生まれる。アレックス・マッケンジーは言う。「勝って戦友になる。戦友になってから勝つことは無い」。
まず任せる。任せた相手が結果を出す。結果が信頼を生む。
本物のチームをつくるメカニズムを知っている組織は強い。
アレックス・マッケンジー 元英国陸軍将校。アフガニスタン戦争でパラシュート部隊指揮官を務めた。地雷で足を失った兵士たちによるカヌーでの大西洋横断Row2Recovery 創設者。
軍隊指揮官が理想とするリーダー像は強烈だ。「この人といれば勝てる、と信じさせる上官が部下の信頼を得る。『いい人』だけど一緒にいると死んでしまう指揮官には誰もついていかない」と、ダミアン・マッキニーは言う。勝利をもたらす上官は、部下に努力と貢献を求めると同時に、全員で出した結果を心から賞賛する。
部下が喜んで従う上司の下で結果と成長が生まれる。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「ベトナムでは戦死した現場指揮官の20%が後ろから部下に撃たれた」と、ダミアン・マッキニーは言う。司令部の命令に盲従するだけで、ゲリラによる想定外の攻撃に対応できない指揮官に対し、「この人の下では全滅してしまう」と兵士達が行動したのだ。軍上層部は、撃った兵士、撃たれた指揮官の問題ではなく、司令部が細部まで指示するマネジメント手法が考えない指揮官を生んだと気付き、権限委譲型のマネジメント手法へと変革した。
変化の激しいビジネス界でも、自ら考える現場リーダーを創る企業は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
通常の偵察では得られない敵情報を得る手段が威力偵察だ。ダミアン・マッキニーは言う。「自軍の損害を覚悟した上で、敵に小規模な交戦を仕掛けて分かる事は多い」。
ビジネスでも行儀良くしているだけでは勝てない事がある。競合に対して、特許訴訟を起こしたり、人材の引き抜きをしたり、隣に店舗を開いたりしてくる会社は手強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
軍隊では作戦遂行前に、部隊全員で想定以上に困難な条件の中で演習を行う。密閉容器の圧力テストの名前から『プレッシャーテスト』と呼ぶ。「作戦の穴を見つける事と、最悪の状況に直面した際の心理的余裕を持たせるためだ」と、ダミアン・マッキニーは言う。
ビジネスでも最悪シナリオの想定は基本だが、士気が落ちる事を恐れて限られた幹部のみで共有する事も多い。
一人でも多くの社員が平常心でプレッシャーテストに臨める組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
戦闘は生死を賭けた勝負だ。厳しい実戦では死傷者ゼロの戦闘など無い。ダミアン・マッキニーは言う。「だからこそ、勝利の瞬間を全員で祝福する『勝どきの型』がチームを一つにするのだ」。
ビジネスでも年度の締めやプロジェクトの完了など、高い目標を達成した時に社員の疲労は極限に達する。
全員が成功の姿をイメージできる『勝どきの型』を持っている組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「What is simple is understood, what is understood is done」というダミアン・マッキニーの口癖は自らを戒める言葉だ。権力を持ったリーダーは机上の空論で複雑な戦略を立てたり、思い付きで次々と命令を出す誘惑に駆られる。
ビジネスリーダーも膨大な戦略資料からミッションを簡潔に言語化する決断が求められる。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
軍事ドローンの性能向上はすさまじい。ダミアン曰く、「怖がっていても始まらない。最新のドローンをどう使うかを考えるのが軍隊指揮官の仕事だ」。テクノロジーの進化に比例して、リーダーの仕事も高度になる。
議論を巻き起こしているChatGPTに、「軍隊指揮官のリーダーシップから我々が学べることは?」と質問したら、「①戦略的思考、②意思決定、③コミュニケーション能力、④感情的知性、⑤順応性、⑥人格と誠実さ」と、返ってきた。いずれもAIでは出来ない事なのは偶然ではない。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
戦闘直前の兵士は上官の一挙手一投足に一喜一憂する。「上官の自信を読み取り、勇気を得たいからだ」と、ダミアン・マッキニーは言う。部下が一瞬でも上官の不安を読み取ると作戦への不信感が部隊に蔓延する。ダミアン曰く、「リーダーシップは不自然だ。100%成功が約束された作戦など存在しない中で、懸念があっても部下の前では常に自信に満ちた言動をとるのがリーダーの仕事だ」。
リーダーの言動が部下の士気を決める。
部下の士気が組織のパフォーマンスを決める。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「お前たちがこの橋を死守してくれたから本隊が最短コースで攻め上がる事ができた。よくやった!」などと言うのは軍人の典型的な褒め方だ。ダミアン・マッキニーは言う。「感情的で大げさな誉め言葉は必ずしも必要ではない。『橋の死守』が『本隊の攻め上がり』を可能にしたという因果関係の明確化がモティベーションを上げる」。
ミッション達成への貢献を論理的に認めてくれる組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「部下を言葉でインスパイアするのは上官の必須要件だ。部下は上官の発言に一喜一憂する。言葉を磨き続けるのは上官の役割だ」と、ダミアン・マッキニーは言う。部下の士気が戦闘の勝利に直結する軍隊ではリーダーへの要求は高い。
リーダーの一言は部下の心を折るし、全社員の心に火を点ける。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「兵士諸君、ピラミッドの頂から四千年の歴史が諸君を見下ろしている」。ナポレオンは初のエジプト遠征で怯む兵士に喝を入れた。
「凧が一番高く上がるのは風に向かっている時だ」。チャーチルはヒトラーとの英国本土決戦を前に国民に呼びかけた。
軍人は人々の心に火を点ける言葉が勝敗を左右すると知っている。
「新しい景色を見る」。日本代表サッカーチームが繰り返した言葉が最高のパフォーマンスを引き出した。
言葉の力を知る組織は強い。
「最初から達成可能と分かっているビジョンを掲げるリーダーに存在意義は無い」と、ダミアン・マッキニーは言う。そんなビジョンなら、リーダーがいなくても成り行きに任せてメンバーだけで達成できるからだ。「過酷なウクライナ戦争の環境下で、ゼレンスキーが『自由と独立を守る!』というビジョンを掲げるから兵士と国民が奮闘する」。
他人には一見不可能に見えるビジョンを掲げるのが真のリーダーだ。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「軍隊では定期的に最新の技術やスキルを学ぶ機会を与える。走り続けるだけではどこかで無理が出る。F1マシンがピットインするのと同じだ」とは、ダミアン・マッキニーの口癖だ。
OJTというバズワードに惑わされて、立ち止まって修正する努力を忘れてはいけない。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
軍隊指揮官の命令は簡潔明確で行間を読む必要がない。ダミアン・マッキニーは言う。「『迅速かつ徹底的に敵要塞を攻撃しろ』では曖昧で、受け取った部下毎に違う解釈をしてしまう。『明朝6時までに敵要塞を占拠しろ』であれば全員が同じ理解をする。簡潔明確な命令を出せるのは、武器弾薬の残数や部下の士気の把握をしているからだ」。
緻密に状況把握をし、大胆な決断をするリーダーが、行間を読む必要のない指示を出せる。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「前線指揮官の必須義務の一つは作戦本部への報告だ」と、ダミアン・マッキニーは言う。個々の戦闘の状況把握は本部の決断に不可欠だからだ。現場での判断や行動は前線指揮官に権限委譲されるが、その前提は適時適切な状況共有だ。「報告する暇が無い、は論外。戦いながら報告するのは当たり前」なのだ。
上司による大胆な権限委譲と、部下による的確な状況共有を両立できる組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
「任せる事はミッション達成の手段だ。常に変化する戦闘環境では、任された部下が現場で柔軟に対応し、余力の出来た上官が俯瞰して判断する事で生き残る」と、ダミアン・マッキニーは言う。副産物として、「部下が成長し、上官と部下の信頼が強まる」。
逆に、手段としての権限委譲が目的化すると、上司に迷いが生じ部下が不信感を持つ。
権限委譲はミッション達成の手段だと知る組織は強い。
ダミアン・マッキニー 元英国海兵隊将校。大英帝国五等勲爵士(MBE)。1999年マッキニーロジャーズ設立。東アフリカ、ケニア生まれ。
9/8(金)16時より、駐日英国大使館にてMission Leadership🄬アカデミー会員限定セミナーを開催します。この機会に是非、会員登録をご検討くださいませ。